こんにちは。
なんとなくブログを始めた作業療法士の金平です。
本記事では、2019年6月21日に開催された「人間作業モデル(MOHO)事例検討会(札幌)」の概要と参加した振り返りを述べていきます。
札幌会場の人間作業モデル(MOHO)事例検討会は、今回から会場と世話人が変更になり、歴史を踏襲しつつ新たな第一歩が踏み出されました。
人間作業モデル(MOHO)事例検討会の概要
会場と世話人
今回の人間作業モデル(MOHO)事例検討会は、北海道医療大学サテライトキャンパスで開催されました。
これまでは、北海道大学開催であり、村田和香先生が世話人をお努めになられていました。
昨年度まで北海道大学で教授として教鞭をとられていた村田先生がご退職された関係で、札幌会場の世話人には新しく本家寿洋先生(北海道医療大学)が任命されました。村田先生と山田孝先生との相談の上で決定されたと本家先生が話されていました。
人間作業モデル(MOHO)事例検討会の目的と構成
人間作業モデル(MOHO)事例検討会の目的には、自身の臨床を振り返ること、作業療法の効果や有用性を示すことが挙げられています。
日頃の臨床を再考し、今後の実践・学会発表・論文作成に繋げることが目標として掲げられています。
この目的や目標をきくと、熟達者向けのような堅苦しさを感じるかもしれません。
一方、人間作業モデル(MOHO)を初めて学びたい方への朗報があります。
それは、事例検討の後に人間作業モデル(MOHO)のミニレクチャーが行われることです。
人間作業モデル(MOHO)を学ぶ上で必要な知識を、初学者向けにレクチャーしてくださいます。
ちなみに、今回の事例検討会は、老若男女の参加はもちろんのこと、学生が5名参加しておりました。学生参加もオススメです。
参加した振り返り
今回は、骨折された高齢期の方に対してMOHOSTを用いた作業療法が事例として提供されました。(※事例検討の内容は、個人情報の兼ね合いがあるため、詳細を割愛します。)
学びとして経験したことは、以下です。
- かっちりとした目標をたてず、スモールステップが良いこともある
- 人間作業モデル(MOHO)を使ってよかったことを考える
- 用語の意味を理解して使用する
かっちりとした目標をたてず、スモールステップが良いこともある
クライエントの評価には、MOHOSTが用いられていました。クライエントは、認知機能が保たれており、言語表出が十分にできる方でありました。
私は、言語表出が十分にできるのであれば、観察評価であるMOHOSTよりも、面接評価であるOSAのほうが、より深い語りが得られるのではないかと考えました。
そこで、世話人と事例提供者とのディスカッションが深まりました。
最終的には、【OSAでかっちりとした目標をたてるより、“今”に意識を向けて将来の不安を打ち消していく。あえて長期的な目標をたてるより、スモールステップで作業療法と生活を展開していく】これが今回の事例への介入で良かったことではないか、と着地しました。ですので、“OSAで長期的な目標を定めたとしたならば、将来に対する不安を増強させる可能性があった。スモールステップでクライエントに寄り添い、MOHOSTによる観察評価で変化をおうことが有効であった”と考えられました。
人間作業モデル(MOHO)を使ってよかったことを考える
骨折のクライエントであれば、生体力学モデル主体でなんとかなる可能性が十分にあります。
ですので、人間作業モデル(MOHO)を使ってよかったことを振り返ることが作業療法の発展には有益です。
そこで、参加者と世話人でディスカッションを深めたところ、【価値と興味を徹底的に探れること。そして個人的原因帰属を高められること】これが人間作業モデル(MOHO)を使ってよかったことではないかと、考えられました。
用語の意味を理解して使用する
人間作業モデルでは、個人的原因帰属や作業参加といった専門的な用語が多く用いられています。
理論として理解し実践に活かすためには、【用語の意味を理解して使用すること】これが大切であると改めて学ぶことができました。また、用語を他者に説明できることも大切であると感じました。
おわりに
本記事では、人間作業モデル(MOHO)事例検討会(札幌)の概要と振り返りを示しました。
振り返りからは、下記が重要であると感じました。
- かっちりとした目標をたてず、スモールステップが良いこともある
- 人間作業モデル(MOHO)を使ってよかったことを考える
- 用語の意味を理解して使用する
次回は、日時:8月30日(金)19:00〜21:00、場所:北海道医療大学サテライトキャンパス、参加費:1,500円(学生500円)の予定です。
札幌近郊に在住で、興味のある方はご参加されてみてはいかがでしょうか。