男の作業療法士が音楽療法の勉強会に参加してみた話

音楽
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こんにちは、金平です。

本日は、以前に参加した音楽療法講習会の感想をまとめます。

参加した講習会の主催は、音楽療法寺子屋エゾリスでした。こちらの団体は、北海道で音楽療法を学べる貴重な講習会等を運営されています。

講習会の概要は下記の通りでした。

【講師】鈴木はるみ先生(臨床発達心理士、音楽療法士)

【テーマ】音楽療法と子どもの臨床発達心理学 ~臨床における子どもの興味と発達の関係~

【日時】2019年6月30日(日)13:00~17:00

【場所】北海道医療大学サテライトキャンパス

男の作業療法士として参加して

男の参加者、ぜんぜんイナカッタ

“男の作業療法士として参加して”といった部分を主張しましたが、これには訳があります。

その理由は、講習会の総参加者数が50~70名ほどいたのですが、男性は筆者の私のみでした。

会場では周囲を1回見渡し「ん?男がいない?まさか自分だけなんてことは、、」とその後も2~3回見渡しましたが、私の視界には男性の影が見えませんでした。(もしかしたら見落としていて、男性がいたかもしれませんが、それでも1人2人であったと思います。)

そして感じたことは、男性が音楽療法を学ぶことは、希少性の塊ではないかと思いました。

たしかに音楽療法ときくと、筆者はしなやかさや美しさを連想します。女性的な印象が強いのかもしれません。

音楽が好きな男性には、音楽療法の学問分野は宝の山かもしれません。

男性が音楽療法を活用できると、「男性的関わりでマダム世代に受けが良い」「音楽療法のセッションに参加したいけど、女性ばかりの中に入るのが苦手な男性クライエントをフォローできる」といった利点がありそうな気がします。

作業療法士が音楽療法を学ぶ

作業療法士として参加する利点としては、音楽を用いる機会があるセラピストであれば領域をクロスオーバーできるメリットがあると考えます。

作業療法の介入では、音楽が有効に働くことが多々ありますので、専門的な音楽療法を学ぶことそれ自体は、日々の臨床力向上に繋がるものと思います。

作業療法の専門知識と音楽療法の専門知識を掛け合わせることで、そのセラピストの個性を発揮しながら効果が高い臨床を可能にしてくれるものと思います。

そのほか、北海道医療大学の作業療法学科では音楽療法士の養成コースが始まったようで、作業療法学科の大学1年生が2名参加していました。

音楽療法と一緒に学ぶと良い学問

心理学や哲学も学ぼう

さて、ここからは講習会の具体的内容をまとめます。

講師の鈴木先生は、臨床発達心理士の資格も有しており、心理学と哲学の勉強の重要性を述べておりました。

心理学を学ぶメリットとしては、人を理解する・支援する専門性その人の将来を見通した上での支援目標と支援計画立案などが非常に音楽療法と関連することを挙げておりました。

さらに、心理学は「なぜ、パニックを起こすのか。その要因は?」といった「なぜ?」からの出発があります。その思考の組み立て方が音楽療法の介入の上でも必要であると話されていました。

ここで「なぜ?」が重要なワードになりますが、その問いを探究するのに役立つ学問が哲学です。

「なぜ?」と問い続けて知識を体系化する哲学的思考が臨床に役立つといえるのでしょう。

音楽療法を学ぶ、あるいは音楽を臨床で活用していく上では、音楽のみの勉強では足りず、様々な学問分野を学び続けていくことが求められると理解できました。

音楽療法士は何をするか

音・音楽で援助・応答・誘う・共感

音楽療法士は具体的に何をするかといった話ですが、行動観察と解釈をし、介入するとのことでした。

クライエントの身体の動きや声など様々な部分に焦点あてた行動観察、さらに行動としてみえない部分の感情や雰囲気等を感じたり解釈したりする。その上で、音楽療法士は見て感じている事を音・音楽で援助・応答・誘う・共感する。

上記が音楽療法士の臨床であり、行動として見える事と見えない事の両方に注意を向けることが重要であると話されていました。

そして音・音楽は、聴く・歌う・楽器を使うなどといった方法で活用されます。

さらに音楽の使い方には、クライエントに合わせるのか・あるいは引っ張っていくのか、既成曲を使うか・アレンジするか・即興音楽を使うか、といった選択の一つ一つに目的意識を持つことが大切であると話されていました。

セッションの終わりには、直感を大切にしながら振り返りをし、介入はプラスに働いたかマイナスになったかを吟味することが、次に繋がると述べられていました。

即興の重要性

筆者が参加してみて印象に残ったことは、即興の重要性でした。実技的なワークも行われましたが、そこで意識されていたことは、参加者がどのような人でどのような音楽性があるか、ここを捉えながら進行されていたことです。

セッションでは、音楽的な技能を求めるのではなく、クライエントの反応に合わせるセラピストとクライエントが同期することが重要であると学びました。そのためには、現場のその場で、直感にも頼りながら臨機応変にプログラムを展開していく応用力・即興性が求められると理解できました。

おわりに

講習会に参加して、音楽療法の奥深さを学ぶことができました。

学びの気づきをまとめるならば、男性セラピストが音楽を活用することに需要がありそう心理学や哲学の勉強も大切その場の直感にも頼った即興性が必要の3つが思索されました。

もし、記事を読んで、北海道での音楽療法の勉強会にご興味を持たれましたら次回の講習に参加してみるのはいかがでしょうか。

次回は、10月12日(日)に開催されます。筆者の私も参加予定で、今から楽しみです。

詳細は近々、音楽療法寺子屋エゾリスにアップされるものと思います。

記事を最後までお読みいただき、ありがとうございました。

またブログを読みにきてくださると嬉しいです。

では、また。

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